宮城峡蒸溜所 MIYAGIKYO DISTILLERY

竹鶴政孝が夢見た未来を
実現する場所。

ふたつの清流に恵まれた緑豊かな峡谷。
受け継がれる技を磨き、新しい試みが次々と生まれる挑戦の地で
ウイスキーの未来を切り拓いています。

宮城峡蒸溜所について About MIYAGIKYO DISTILLERY

INFORMATION

  • 宮城峡蒸溜所の 楽しみ方

    ガイドツアーや予約不要でもお楽しみいただける
    見学スポットをご紹介します。

  • イベント・セミナー

    テイスティングセミナーやマイブレンドセミナーに参加してみませんか。

  • 蒸溜所だより

    蒸溜所を取り巻く豊かな自然。四季折々の光景や出来事を蒸溜所スタッフがお届けします。

宮城峡蒸溜所について About MIYAGIKYO DISTILLERY

竹鶴政孝の挑戦を 広げ続ける地

「余市と異なる蒸溜所で生まれたモルト原酒をブレンドし、より味わい深く豊かなウイスキーをつくりたい」。竹鶴政孝の夢の続きを実現するために1969年に設立したのが、ニッカウヰスキー第二の蒸溜所・宮城峡蒸溜所です。後に政孝の後を継ぐ竹鶴威をはじめとするスタッフが全国で調査をスタート。いくつもの候補地の中から政孝が選んだ地は杜の都・仙台の西に位置する緑の峡谷でした。

01. 自然・環境

ふたつの清流が走る
緑豊かな森の蒸溜所

緑豊かな森に包まれた宮城峡。広瀬川と新川というふたつの清流に囲まれた蒸溜所には、一年を通じて霧や靄が立ち込めます。森から生まれる湿潤で澄んだ空気が貯蔵庫の樽を乾燥から守り、原酒は冷涼な気候の中でおだやかに熟成。

仕込水は蔵王連峰を経て流れてくる清らかな新川の伏流水です。日本各地の蒸溜所が使っている水の中でも硬度(公表値)が低く、ウイスキーづくりに邪魔な成分がほとんど含まれていません。政孝は初めてこの地を訪れた時、新川の清流で持っていったブラックニッカを割って飲み、味わいを確認して蒸溜所建設を即決したと言われています。

02. 設計・建設

自然との調和と共生を
第一に

建設時、「自然を大切にしなければおいしいウイスキーはつくれない」という政孝の信念に基づき、樹木の伐採を最小限に留め、電線は全て地下に埋設しました。製造工程ごとに分けられた建物の床高がすべて異なるのも自然への配慮。敷地を平らにならして全工程の設備を同じ建物に入れるのが合理的ですが、本来の土地の形状を壊さずに起伏を活かしたのです。

他にも、訪れた人に、鎌倉山をバックに緑と調和したレンガ調の建物を見てもらうための導線づくりなど、昭和の高度成長期にできた工場としては先進的な、自然との共生を目指す思想にあふれています。

03. 原酒の製法と特徴

スチーム蒸溜が生み出す、
華やかな宮城峡モルト

政孝が余市モルトとの差別化を図るために選んだのは、上向きのラインアームを持つ大きなバルジ型のポットスチルと、蒸気で釜を熱し130℃ほどでじっくりと蒸溜するスチーム蒸溜でした。この形のポットスチルは蒸溜の過程で内側の蒸気と香味成分が繰り返し釜に戻り、洗練された香りと味わいへと凝縮されます。

その結果、華やかでフルーティー、余市とは違う優しくやわらかな個性を持つ原酒づくりに成功しました。宮城峡モルトは、シングルモルトとして多くの人を魅了するだけでなく、ピュアモルトやブレンデッドウイスキーに欠かせない原酒としてニッカのおいしさを支えています。

04. もうひとつの伝統

ニッカが誇るカフェグレーン

政孝が目指したブレンデッドウイスキーづくりに欠かせないのが、とうもろこしなどを主原料とするグレーンウイスキーです。宮城峡蒸溜所では1960年代初頭に導入したカフェスチル(カフェ式連続式蒸溜機)が今も稼働し、香味豊かなグレーン原酒をつくり続けています。当時でも既に旧式で、もはや世界でも稀な存在となったカフェスチル。他の連続式蒸溜機に比べてアルコール精製度や蒸溜効率が劣る反面、蒸溜液に原料由来の香りや甘み、クリーミーなコクを残します。それこそが、政孝が求めたグレーンウイスキーのおいしさでした。

「カフェグレーン」はニッカのブレンデッドウイスキーに豊かな香りやコクを加える役割を果たすだけでなく単独で商品化され、世界で高い評価を受けました。さらに「カフェモルト」「カフェジン」「カフェウオッカ」と、カフェスチルの特性を活かしたイノベーティブな商品を生み出し続けています。

TOP