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ベンネヴィス蒸溜所

ベンネヴィス蒸溜所

途中、ニッカウヰスキーが唯一スコットランドに所有する蒸溜所、ベンネヴィス蒸溜所に立ち寄った。

1989年にベンネヴィスを買収したのは、技術的なものをスコッチから学ぶというよりむしろ、スコッチ業界の渦中に入って、いろいろな情報を得るためであった。

しかし当時は、バブル景気の日本企業がスコッチ工場を買収すると、地元からの反感があるかも知れないと思ったので、ダミー会社をつくり、表面上そこが買収したかたちにした。

当然それはすぐにバレた。
しかし地元の反応は、閉鎖している蒸溜所を再稼動させてくれるとむしろ歓迎してくれた。
地元紙にも好意的に報じられたことをよく覚えている。

ニッカがスコッチをルーツにしていることや、スコットランドで学んだことを忠実に守っていること、またそれを支えた同胞リタの存在があったからだろうか。

スコッチに追いつき追い越せを目標にしてきた父は、まさかニッカが私の代になってスコッチの蒸溜所を買収するとは思っていなかっただろう。ましてや今回のように、自分のやってきたことがスコットランドの人々から賞賛を受けていることを知ったら、存命であればどれほど喜んだだろう。

天候の悪かった行程中、珍しく薄日の差したベンネヴィス蒸溜所ではそんなことを思った。

ツアーでお世話になったSMWSの皆さん

最後になったが、今回のツアーやレセプションを コーディネイトしてくれたSMWSのMr. Richard Gordon、そして(株)ウイスク・イーのDavid Croll氏、角田紀子氏に、深く感謝したい。

(株)ウイスク・イーさんがSMWS日本支部、ウイスキーマガジン、アランウイスキーの日本代理店も兼ねていることから、今回のツアーでは、アラン蒸溜所にもお招きいただいた。

アラン蒸溜所は、7年前に設立されたユニークな蒸溜所である。

閉鎖する蒸溜所が多い中で新設されたこともさることながら、観光用の蒸溜所としてつくられたものであり、糖化、発酵、蒸溜設備が1ヶ所=1室にある(一人で管理できる)。

またゲストハウスやレストランなど来客用の設備も整っていた。これは、スコットランド南西側にある小さな島アラン島が、風光明媚な島であり観光名所を多く抱える随一の観光地で、国内外から多くの観光客が集まる場所であるからだろう。

ウイスキーは確実に見直されていることを実感した。
そしてそれに呼応するかのような日本でのシングルモルトウイスキーブーム。

あらためてウイスキーの持つ底力を感じたツアーでもあった。